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今年もまた曼珠紗華の花の咲く季節になりました。 毎年お彼岸が近づくと 必ず、人里近いあぜ道や町中の空き地、家庭の庭等 に真っ赤な花を咲かせます。(家のご近所のお庭には白い彼岸花も見られます。) 私がまだ子供だったころ、里ではその花の持つ毒性から縁起の悪い花とされ忌み嫌われていたようですが、なぜか私はこの花に魅せられます。 あの独特の赤と繊細にカールした花びらの、いかにもレトロテイストな雰囲気は、たそがれ行く世代の最後の恋を連想し不思議と切ない気持ちになるのです。 遠くに過ぎ去ったふるさとで過ごした青春時代の恋や友情が、あの田舎のあぜ道を一面赤く染めた風景と重なって思い出されるせいなのかもしれませんね。 だから私はこの花を彼岸花というより、曼珠紗華とよぶほうが好きなのです。 さて、9月もお彼岸となるともう涼しげな夏の素材の着物とはお別れです。 この時期の単衣はやはりしっくりと落ち着いた雰囲気を出したいものですね。 まず、素材については紬やお召し、縮緬など少し重量感のあるものを、また色柄については自然界に色づく木々や秋花をいち早く取り入れておしゃれを楽しんでみてください。また袖口から覗く長襦袢の色にもこだわるといっそうおしゃれがアップします。 この時期の単衣はせいぜい10月中旬までですので、ほんとうに贅沢なおしゃれともいえますが、私は本格的に着物を楽しめる袷の時期よりこの季節が一番好きです。 抹茶色の長襦袢にからし色の紬を合わせ(女郎花のイメージ)、更紗の帯にそれこそ曼珠紗華色の真っ赤な帯締めなどしてみたいものです。 |
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